
今回ご入庫いただいたのは、Mercedes-Benz E250 Cabriolet。
ボディ全体に洗車傷や拭き傷などのスクラッチが多く入り、施工ブースの照明下で確認すると、細かな傷によって塗装本来の艶や映り込みが失われ、全体的に白くくすんで見える状態でした。
さらに一部には、通常のポリッシャーによる研磨だけでは十分に改善できない比較的深い傷も確認。
こうした深い傷を「消えるまで磨く」という考え方で追い込むと、必要以上に塗膜を削ってしまう可能性があります。
今回は傷の深さと塗装状態を確認しながら、深い傷には2500番のペーパーを使用した必要最小限のサンディングを行い、その後ボディ全体を中研磨。
塗装面を整えたうえでPREMIUMセラミックコーティングを施工しました。
さらに、ヘッドライトとテールランプにはスモークPPF、ドアポケットには透明PPFを施工。
研磨による塗装のリフレッシュ、セラミックコーティングによる表面保護、PPFによる物理的な保護とドレスアップを組み合わせた施工事例です。
中研磨
ヘッドライト&テールランプ スモークPPF
ドアポケットPPF
入庫時のボディには、洗車傷や拭き傷を中心とした細かなスクラッチが全体的に確認できました。
一本一本は深い傷ではなくても、無数のスクラッチが重なると光が乱反射します。
その結果、本来はきれいに映り込むはずの塗装面が白っぽく見え、ボディ全体の艶や色の深みが失われて見えることがあります。
こうした状態では、単純にコーティングを上から施工しても傷そのものが消えるわけではありません。
コーティング前に塗装表面を適切に整えることが必要です。
今回のE250 Cabrioletでは、ボディ全体の状態から中研磨を選択しました。
研磨では、傷の周囲にある塗装表面を削り、傷との高低差を小さくすることで目立たなくしていきます。
つまり、傷を改善するためには少なからず塗膜を削る必要があります。
ここで重要なのが、
傷を消すことだけを目的にしないこと。
深い傷を完全に消そうとすれば、その分だけ塗膜を削る必要があります。
傷を100%消すために必要以上の塗膜を犠牲にするのであれば、将来的な再研磨の余地まで減らしてしまいます。
E.C.D GARAGEでは、傷の深さ、塗装状態、仕上がりとのバランスを見ながら、どこまで改善するのかを判断しています。
今回、一部には通常の研磨だけでは整えきれない比較的深いスクラッチがありました。
そこで、その部分については2500番のペーパーを使用してサンディングを行いました。
サンディングは、ポリッシャーで何度も研磨を繰り返すのとは異なり、必要な箇所へ狙って塗装表面を均一に整えるために使用することがあります。
ただし、当然ながらペーパーを当てれば塗膜を削ります。
そのため、
「深い傷があるから、とりあえずペーパーを当てる」
という施工ではありません。
傷の深さと塗装の状態を確認し、サンディングを行うメリットが塗膜を削るデメリットを上回ると判断した箇所だけに限定して行います。
今回は2500番で必要最小限の処理を行い、その後の研磨工程でペーパー目を除去しながら塗装面を整えています。
ポリッシャーによる研磨でも、工程を重ねれば深い傷をある程度改善できる場合があります。
しかし、深い傷だけを消したいにもかかわらず、広い範囲を何度も強く研磨すれば、必要のない部分まで塗膜を削ることになります。
そのため、状態によっては局所的にサンディングを行い、その後研磨で仕上げる方が、施工範囲と研磨量をコントロールしやすい場合があります。
重要なのは、
サンディングをすること自体が高度な施工なのではなく、「どこまで削る必要があるのか」を判断すること。
E.C.D GARAGEでは、研磨でもサンディングでも、必要以上に塗装を削らないことを前提に工程を組み立てています。
深い傷への部分的な処理だけでなく、ボディ全体には中研磨を行っています。
一部の傷だけをきれいにしても、それ以外のパネルにスクラッチやくすみが多く残っていれば、車両全体で見たときに仕上がりのバランスが取れません。
そのため今回は、
深い傷への部分的なサンディング
↓
傷の状態に合わせた研磨
↓
ボディ全体の中研磨
↓
最終的な塗装状態の確認
という流れで、全体の艶と質感を整えました。
研磨は単純に「傷を消す工程」ではありません。
塗装表面の状態を均一にし、光の映り込みを整えることで、本来の色や艶を引き出すための工程でもあります。
Mercedes-Benzをはじめ、一部の欧州車では比較的硬いクリア塗装が採用されている車両があります。
硬い塗装はスクラッチが入りにくいというメリットがある一方、すでに入ってしまった傷を研磨で改善する際には、国産車の柔らかい塗装と同じ工程では十分に整わないことがあります。
使用する研磨剤。
バフ。
ポリッシャー。
研磨回数。
塗装へかける負荷。
こうした組み合わせを、実際の塗装状態に合わせて変える必要があります。
車種名だけで研磨工程を決めるのではなく、実際に目の前にある塗装を見て工程を決める。
E.C.D GARAGEが研磨で重視している部分です。
研磨によって塗装表面を整えたあとは、研磨剤などの残留成分を適切に脱脂します。
見た目がきれいになったから、そのままコーティングを施工するわけではありません。
研磨剤由来の油分などが残った状態では、コーティングを施工するための下地として十分ではないからです。
塗装表面を整え、脱脂まで行ったうえで、今回はPREMIUM|CERAMIC COATINGを施工しました。
コーティングは傷を隠すためのものではありません。
研磨で整えた塗装面を保護し、防汚性や滑水性、日常のメンテナンス性を高めるために施工します。
今回はボディコーティングだけでなく、ヘッドライトとテールランプへスモークPPFを施工しました。
PPFには透明タイプだけでなく、色味や質感を変えられる製品もあります。
今回使用したスモークPPFは、灯火類の外観を落ち着かせ、車両全体の印象を引き締めることを目的に施工しています。
同時に、フィルムそのものが表面を覆うため、
飛び石
軽微な擦り傷
洗車時のスクラッチ
などから灯火類の表面を物理的に保護する役割もあります。
つまり今回のスモークPPFは、
ドレスアップ
と
プロテクション
を両立させる施工です。
※スモークの濃さや施工内容によっては灯火類の光量・視認性や保安基準への適合に影響する可能性があるため、施工内容に応じた確認が必要です。
今回の施工では、セラミックコーティングとPPFの両方を使用しています。
この2つは、同じボディ保護でも役割が異なります。
セラミックコーティングは、
防汚性
滑水性
艶
耐薬品性
日常のメンテナンス性
など、塗装表面の性能を高めるものです。
一方PPFは、厚みのあるフィルムによって、
飛び石
擦り傷
軽微な物理的接触
などから施工面を物理的に守ります。
コーティングは表面性能を高める。
PPFはフィルムで物理的に守る。
目的が違うため、施工箇所によって使い分けたり、組み合わせたりすることができます。
今回はドアポケットにもPPFを施工しました。
ドアハンドルへ手を入れる際、爪や指輪などが接触することで、ドアポケット周辺には細かなスクラッチが入りやすくなります。
特に濃色車では、こうした細かな傷が光の下で目立ちやすくなります。
一度傷が入れば、改善するためには研磨が必要になります。
そこで、傷が付いてから研磨するのではなく、傷が入りやすい部分だけPPFで先に守るという方法があります。
PPFは全面施工だけではなく、こうした日常的に傷が入りやすい場所への部分施工でも高い効果を発揮します。
今回のE250 Cabrioletは、
ボディ
→ 中研磨+PREMIUMセラミックコーティング
深い傷
→ 必要な箇所のみ2500番サンディング
ヘッドライト・テールランプ
→ スモークPPF
ドアポケット
→ 透明PPF
というように、場所と目的によって施工方法を使い分けています。
車をきれいにする方法は一つではありません。
すべてを研磨する必要もなければ、すべてをPPFで覆う必要もありません。
傷を改善する場所。
表面性能を高める場所。
物理的に守る場所。
外観を変える場所。
それぞれの目的に合った施工方法を選ぶことが重要です。
傷が深ければ、削れば削るほど目立たなくできる可能性はあります。
しかし、塗膜には限りがあります。
一度削った塗装を元に戻すことはできません。
だからこそE.C.D GARAGEでは、
傷をどこまで改善できるのか
だけではなく、
そのためにどれだけ塗膜を削る必要があるのか
まで含めて判断します。
今回のE250 Cabrioletでは、深い傷に必要最小限のサンディングを行い、ボディ全体は中研磨で状態を整えました。
そのうえでPREMIUMセラミックコーティングを施工し、傷が入りやすい灯火類やドアポケットにはPPFを組み合わせています。
「磨いて終わり」でも、「コーティングを塗って終わり」でもありません。
現在のダメージを改善し、その後できるだけ同じダメージを増やさないところまで考えて施工内容を組み立てる。
それが今回の施工のポイントです。
研磨やサンディングは、完成した車両だけを見ても、どのような工程を行ったのか分かりにくい施工です。
E.C.D GARAGEでは、完成後の写真だけではなく、施工環境や下地処理、研磨などの工程もできる限り公開しています。
今回のE250 Cabrioletについても、実際の施工工程をYouTubeでご紹介しています。E250 Cabrioletの施工動画を見る
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