今回ご入庫いただいたのは、神奈川県茅ヶ崎市のオーナー様が所有するGRヤリスです。
前年6月末にE.C.D GARAGEでPREMIUMメニューを施工しており、今回は施工から約10か月が経過したタイミングで、定期メンテナンスをご依頼いただきました。
見た目で分かる汚れは、ホイールに蓄積したブレーキダストと、ボンネットに付着したホコリや花粉。一方、ボディには目立つ水滴跡がほとんどなく、スケールは水の挙動や塗装面の触感から確認できる状態でした。
今回のテーマは、目に見える汚れを落とすことだけではありません。まだ目立つダメージになる前に、見えにくいスケールを見つけて除去することです。

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施工前に、ボディと足元の状態を確認しました。
ホイールにはブレーキダストが広範囲に蓄積し、スポーク表面だけでなく、スポーク裏、ナットホール、リム内側まで赤茶色の汚れが広がっていました。
次の写真では、ブラックのホイール表面がブレーキダストによって茶色く見えている状態を確認できます。

ボンネットには、ホコリと花粉を含む汚れが堆積していました。こちらは乾いた状態でも写真から確認できる汚れです。

一方、スケールは写真だけでは明確に判断できない軽度の付着でした。
スケールは、世間で水垢として認識されている輪状の跡が見える前から付着しています。今回は、洗車時の水の流れ、ブロワーを当てた際の水滴の飛び方、拭き上げ時のわずかな引っ掛かりを確認し、塗装面に軽度のスケールが形成されていると判断しました。
目で分かる水滴跡が現れたときには、汚れではなく塗装面やコーティングへダメージが残っている場合があります。今回の状態であれば研磨は必要なく、ケミカルによる除去でリセットできます。
ホイールは表面を洗うだけでは、スポーク裏、ナットホール、リム内側に付着したブレーキダストが残ります。
形状に合わせて専用ブラシを使い分け、奥に蓄積した汚れを浮かせながら洗浄しました。ブレーキキャリパー周辺も含め、見える範囲だけで終わらせず、ブラシが届く細部まで処理しています。

今回確認されたブレーキダストは洗浄によって除去できる状態で、焼き付きやホイール塗装へのダメージは残っていませんでした。
ボディは、フォームで全体を覆って砂埃や花粉を浮かせた後、手洗い洗車を行いました。
この工程では、塗装面に残った汚れを洗浄すると同時に、その後のケミカル処理でスケールの範囲を正確に確認できる状態へ整えます。

シャンプー洗車後も水の流れと拭き上げ時の引っ掛かりが残ったため、スケール除去剤を使用しました。軽度の鉄粉も確認しましたが、今回の付着量はスケール除去工程で同時に処理できる程度であり、鉄粉除去剤や油脂除去剤を追加する必要はありませんでした。
MAINTENANCEは、すべてのケミカルを一律に使用するメニューではありません。洗車後の状態を確認し、その車両に必要な処理を選びます。
今回は研磨を行わず、スケール除去によって既存のセラミックコーティングを残したまま表面をリセットしました。
スケール除去後は、水をかけてボディ全体の状態を確認しました。
次の写真では、水滴が細かく均一に形成されていることを確認できます。施工前に見られた引っ掛かりも解消し、水が塗装面を移動しやすい状態へ戻りました。

この確認によって、スケール除去が一部だけに留まらず、ボディ全体で水の流れが揃っているかを判断します。
洗浄後のホイールは、赤茶色に見えていたブレーキダストが除去され、ブラック本来の色と艶が戻りました。
スポーク表面だけでなく、スポーク裏、ナットホール、リム内側、ブレーキキャリパー周辺まで汚れを除去しています。

今回のように施工前後の写真を同じ部分で比べると、ホイールの色が変化したのではなく、表面を覆っていたブレーキダストが本来の色を見えにくくしていたことが分かります。
スケール除去後は、既存のPREMIUMコーティングを保護する犠牲皮膜として、ボディ全体へIGL Coatings「PREMIER」を施工しました。
この工程は、既存のセラミックコーティングそのものを修復するものではありません。メンテナンスで整えた表面に新たな保護層を加え、次回のメンテナンスまで日常的な汚れを受け止める役割を持たせます。
施工後は、ボンネットの艶、撥水、水の流れ、スリック性を確認しました。堆積していたホコリや花粉、見えにくいスケールが除去されたことで、照明の映り込みも施工前より明確になっています。

ボディ側面についても、照明を映り込ませながら拭き残しやムラがないことを確認しました。

今回のGRヤリスでは、ホイールのブレーキダストやボンネットの花粉は目で確認できました。一方、スケールは水滴跡として目立つ状態ではなく、水の挙動や拭き上げ時の触感から確認できる段階でした。
この段階であれば、研磨でコーティングを削り落とすことなく、ケミカルによる処理で状態を戻せます。
スケールを放置して目に見えるダメージへ進むと、通常の洗車やケミカルでは改善できません。研磨が必要になれば、ダメージだけでなく施工済みの硬化型コーティングも一緒に除去することになります。
定期メンテナンスの目的は、汚れてから見た目を整えることだけではありません。目立つダメージになる前に状態を確認し、既存コーティングを残したまま除去できる段階で処理することです。
今回も、軽度のスケールと鉄粉をケミカルで除去し、PREMIERによる犠牲皮膜を施工。研磨を必要としない状態のまま、艶、撥水、水の流れ、スリック性を整えて完成しました。
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