
今回ご入庫いただいたのは、Mercedes-AMG G63。
こちらのお車は、普段からE.C.D GARAGEへ定期的に洗車をご依頼いただいているお客様のお車です。
一見すると大きな汚れや目立つシミはなく、全体としてはきれいな状態に見えていました。
しかし、水をかけたときの水の流れ方や、拭き上げ時に塗装表面を細かく確認すると、目視では気付きにくい水垢が徐々に蓄積している状態でした。
マット塗装は、一般的な艶あり塗装とは異なり、後から研磨で簡単にリカバリーできる塗装ではありません。
そのため今回は、汚れが深刻化する前の段階で、研磨を行わずにケミカルによって状態を整え、そのうえでマット塗装専用のセラミックコーティングを施工しました。
STANDARD|CERAMIC COATING レイヤード施工
今回のG63は、普段から定期的に洗車をご依頼いただいている車両です。
そのため、入庫時に大きな汚れが付着しているわけではありませんでした。
見た目だけで判断すれば、十分きれいに見える状態です。
しかし、実際に水をかけたり、拭き上げ時に塗装表面を確認すると、少しずつ水垢が増えていることが分かりました。
マット塗装では、こうした初期段階の変化を見逃さないことが特に重要です。
艶あり塗装であれば、状態によっては研磨で改善できるケースがあります。
一方で、マット塗装は表面の微細な凹凸によって光を拡散し、独特の艶を抑えた質感を作っています。
そこを研磨すると、表面状態が変化し、部分的に艶が出てしまう可能性があります。
つまり、
「汚れやシミがひどくなったら最後に磨けばいい」
という考え方が通用しにくい塗装です。
だからこそ、汚れが深刻になる前に適切な方法で除去することが重要になります。
今回確認した水垢は、まだ研磨を必要とする状態ではありませんでした。
そこで、マット塗装本来の質感を変えないことを優先し、研磨ではなくDEEP WASHによるケミカル処理を選択しました。
E.C.D GARAGEでは、施工メニューを決めるときに、
「何ができるか」だけではなく、「何をする必要がないか」も含めて判断する
ことを大切にしています。
過度な施工を行えばいいわけではありません。
今回のようにケミカルで十分対応できる段階であれば、無理に塗装へ手を加えず、必要な処理だけを行う方が適切です。
今回のDEEP WASHでは、通常のシャンプー洗車では除去しきれない汚れを中心に処理していきます。
主に確認・除去するのは、
水垢・スケール
鉄粉
油脂汚れ
です。
これらはすべて同じ汚れではありません。
見た目では同じように「くすみ」や「汚れ」に見えていても、汚れの性質によって必要なケミカルは異なります。
そのため、何でも一つの薬剤で落とそうとするのではなく、汚れの種類を判断しながら適切なケミカルを使用します。
今回も、マット塗装の質感を変えないよう状態を確認しながら、水垢、鉄粉、油脂汚れを除去しました。
普段から洗車をしている車両でも、すべての汚れを通常洗車だけで完全に除去できるわけではありません。
シャンプー洗車は、砂埃や泥、日常的な表面汚れを除去するうえで非常に重要です。
一方で、スケールや鉄粉、油脂汚れなどは、通常のシャンプー洗車では除去できない汚れです。
そのため、洗車頻度が高い車両でも完全に防ぐことはできず、少しずつ蓄積していきます。
こうした汚れは、それぞれ性質が異なるため、状態に合わせて専用のケミカルで除去する必要があります。
今回のように定期的に車両を見ていることで、深刻なダメージになる前に変化へ気付けることも、メンテナンスを継続するメリットの一つです。
DEEP WASHによって塗装表面を整えたあとは、マット塗装専用のセラミックコーティングを施工します。
マット塗装へ使用するコーティングでは、通常の艶あり塗装向けコーティングとは異なる考え方が必要です。
一般的なコーティングでは、艶感の向上も大きな魅力の一つです。
しかし、マット塗装では不自然な艶を出してしまうと、本来の質感そのものを変えてしまいます。
そのため今回使用するのは、艶を出さずにマット塗装を保護するための専用セラミックコーティングです。
マット特有の質感を維持しながら、汚れの再付着を抑え、日常のメンテナンスを行いやすい状態へ整えていきます。
今回使用したマット塗装専用セラミックコーティングは、耐久目安が約1年の製品です。
そこで今回は、同じセラミックコーティングを2層でレイヤード施工しました。
セラミックコーティングは、適切な条件で重ねて施工できることも特徴の一つです。
1層目の上からさらに2層目を施工することで、単層施工よりも被膜を厚くし、マット塗装をよりしっかり保護することを狙っています。
ただし、2層施工したからといって耐久年数が単純に2倍になるわけではありません。
今回レイヤード施工を選択した目的は、
耐久年数を倍にすることではなく、被膜を厚くして保護性能を高めること
です。
もちろん、2層施工してもマット塗装の質感を変えてはいけません。
艶を出すためではなく、マット本来の質感を維持しながら保護するための施工です。
今回のG63で重要だったのは、汚れがひどくなってから施工したのではなく、まだケミカルで対応できる段階で処理できたことです。
マット塗装は、後から研磨によって簡単にリカバリーできません。
そのため、
汚れを蓄積させないこと
異変へ早く気付くこと
状態に合ったメンテナンスを行うこと
が非常に重要です。
今回の車両は、普段から定期的に洗車をご依頼いただいていたからこそ、見た目では分かりにくい変化にも早い段階で気付くことができました。
定期的な洗車やメンテナンスは、単に車をきれいにするだけではありません。
塗装状態を継続して確認し、大きなダメージになる前に対応するための機会でもあります。
E.C.D GARAGEでは、施工内容を決めるときに、メニューを多く追加することが正解だとは考えていません。
塗装の種類。
現在の汚れ。
ダメージの程度。
これまでのメンテナンス状況。
今後の使用環境。
こうした要素を確認したうえで、その車両に必要な施工を判断します。
今回のG63では、研磨を行わず、DEEP WASHによるケミカル処理とマット塗装専用セラミックコーティングのレイヤード施工を選択しました。
「何をするか」だけでなく、「何をしないか」まで含めて施工内容を設計する。
これがE.C.D GARAGEの考え方です。
同じG63、同じマット塗装であっても、すべての車両に同じ施工が適しているとは限りません。
実車の状態を確認したうえで、一台ごとに施工内容をご提案します。
コーティング施工は、完成した車両だけを見ると、施工途中で何を行っているのか分かりにくい作業です。
E.C.D GARAGEでは、施工環境や作業工程、どのような考え方で施工しているのかをできる限りオープンにするため、YouTubeや施工事例でも実際の施工内容を公開しています。
今回のG63の施工についても、作業環境や工程の考え方を含めてYouTubeでご紹介しています。
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